第55章 異例発表
だがこれはただの言い合い、喧嘩などではない。
ナルトたちの"上司"である"担当上忍"の決定なのだ。
カカシは今の彼らの実力を見て、推薦を行っただけのこと。
それには本来、過去どういう生徒だったのか、教師がどんな指導をしてきたか、などは持ち出される必要などないのだ。
大切なのは、今だから。
「口出し無用!アイツらはもうあなたの生徒じゃない。……今は……私の部下です」
イルカ先生は遂に黙り込んだ。
確かに、こう言われては何も言えまい。
間違ったことは何一つカカシは口にしていないのだから。
しかし、そこで割って入ったのはまた意外な人物であった。
「カカシ…そんなに甘いもんじゃないぞ? お前は焦りすぎだ。」
二人の口論を見かねたのか、ガイが後方から声を掛けた。
「イルカの言う通りだな。オレの班も一年受験を先送りにしてしっかり実力を付けさせた。 もうちょい青春させてから受けさせな」
ガイは、ナルトたちよりも1期上の子達の担当上忍だ。
彼の考えや意見の筋は通ってはいる。
でも…プライドの高いカカシが、それで降りるはずはなかった。
「ふっ…いつもツメの甘い奴らだが…なーにお前んとこの奴らならすぐ抜くよ。あいつらは」