第55章 異例発表
この場に上忍、特別上忍、中忍たちが呼び出されたのは他でもない。
「では…正式に発表する。 今より7日後、7の月1日をもって中忍選抜試験を始める!」
今年の第2回目の中忍試験の発表のためだった。
さきは斜め前にいた紅にポソリと小声で問いかけた。
『ねぇ紅…中忍試験の間隔って、いつもこんなに短いの?ついこないだな気がするんだけど…』
すると少し考えながら、「いや、」と紅いルージュの差された唇から小さな声が返ってきた。
「今年は異例ね…。他里との会議で突然決まったんじゃないかしら。」
「ま、一週間前なんて急すぎるからね」
カカシも紅と同じ考えのようである。
(でもま…アイツらにも経験くらいさせてやっても良いだろうな。そんなに甘いものではないが…)
下忍の担当上忍が、一度にこれだけ揃っているということは、ここで推薦を希望させてもらえるということだろうとカカシは推測していた。
すると彼の予測通り、その傍から三代目が指示を与えた。
「さて…まず新人の下忍を担当している者から前に出ろ」
その言葉に、アスマ、紅、カカシの三人が火影様の前に出た。
彼らは、今年のルーキーの担当上忍だ。
全員カカシの同期で全員知り合いではあるものの、こうして並んだ背中を見ると、優秀な指導者っていう雰囲気が出ている。