第55章 異例発表
―――――― あれは…と鷹を確認したところで、カカシとさきはどちらからともなくアイコンタクトを交わした。
「さーてと!そろそろ解散にするか。 俺とさきはこれからこの任務の報告書を提出せにゃならん…」
『ん、そやね』
実際は三代目火影からの招集命令である。
「なら帰るぜ」
サスケはようやく解散かと早足に帰宅の準備を始めた。
やはり任務の内容に物足りなさを感じていた彼は、このまま修行に直行するらしい。
まだまだ恋に現を抜かすサクラの言葉にもサスケは冷たく対応した。
確かに忍者としての自覚を問われると、サクラはナルトにも劣っているのは間違いない。
本人もその自覚はあるようだが。
実際のところサスケはただ嫌味を言いたいだけではなく、彼のひとつの優しさの形ではあるのだが、シュンと肩を落とすサクラに追い打ちをかけるような言葉を放り投げ、彼はサッサと帰って行った。
こりゃサクラも悔しいだろうな…と、カカシは短く息を吐いた。
そして、各自帰宅の途に就き始めたのを確認して、さきに声を掛けた。
「さ、さき。 行くぞ」
『うん!』
カカシとさきは、まるで煙のようにその場から静かに消えた。