第55章 異例発表
簡単な任務を終えた後、ワイワイキャーキャーとやっている彼らの表情を一通り窺ったカカシは、顎先を日本の指で摘まみ、小首を傾けた。
「んーーーーーー…最近チームワークが乱れてるなぁ」
サスケとナルトに至っては、仲が悪いというよりこれは…昔の自分とオビトを見ているようなものだな、と、思わずマスクの下で唇を尖らせる。
カカシはそのまま、隣にいるさきを見下ろした。
今日もこうして一緒に任務に出ているし、昨日までも修行や他の任務にも出向いていて、彼女は普段と何も変わらない。
しかし、昨晩は悪夢で目が覚めたあの後から、一睡もできていないようだった。
「さき、大丈夫か?」
『ん?大丈夫よ?…なんで?』
突然の問いかけに、さきはキョトンと目を丸くした。
(これは無理をしているのか、それとも……)
そうか、と返事を返しつつ、そんなことを考えていた時だった。
ピィーーーー ヒョロロローーーー
『ん…?』
さきが見上げた空を、カカシも同じように仰ぎ見た。
自分たちのいる上空を、伝令鷹がくるくると円を描いて飛んでいる。