第55章 異例発表
「やーー諸君。おはよう!」
『おはよ~!』
カカシとさきは声をそろえて、既に集合場所に到着していたメンバーに飄々と挨拶をした。
「今日は道に迷ってな……」
続いてお決まりのカカシの言い訳。
これはすでにネタ切れ。ほとんどが使い回しである。
大嘘をつくなとナルトとサクラに叱られるのも、その後ろで鼻から溜息を吐いているサスケが、チラっとその様子を窺っているのもいつも通りだ。
本日も、カカシ率いる第七班全員で任務。
今日は三時間の遅刻からスタートした。
しかしそれもまあ問題ない。
波の国から帰ってきてからというもの、下忍相応の簡単なDランクの任務ばかりだからだ。
ただ、あの任務を境に、第七班の雰囲気が少し変わったことはカカシもさきも共に感じていた。
ナルトがサスケにより強いライバル心を抱くようになってから、ナルトはサスケに追い付こうと、以前よりドタバタ度が増しているし。
はたまたサスケは、そんなナルトを他所に、うまい具合に任務をこなしてしまう…。
ただサスケは、この簡単な任務ばかりの毎日に、かなり焦りも感じているようだった。
サクラは、そんな二人の雰囲気に気詰まりしてるようで…。