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【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第51章 SILENT KILL


「ん…超濃かった霧がだんだん晴れてきたぞ…」
 徐々に周囲の状況が確認できるように霧が晴れ始めた。
 それはつまり、再不斬が忍犬たちに捕らわれたことにより、霧隠れの術が解けたということ。
 タズナとサクラは、ようやく決着が着くのでは、と少し緊張が解けたように口を開いた。
「さきさん! あそこに二人睨み合ってるみたいだけど…」
『うん…』
 サクラがあるシルエットを見つけ、指をさした。
 さきもそれに気づいており、じっと目を凝らした。



(一体…どっちがカカシ?)
 視界が悪いこの環境にたまらなくやきもきする。



 ―――――― と、その影はついに動き出した。
 動くことが出来ない再不斬。
 彼は絶句し、カカシの動きをただただ見つめた。
 ―――――― その隣にふいに出現する氷の鏡。
 カカシはそのチャクラによる肉体活性によって得た圧倒的なスピードで再不斬に向かってゆく。



 一瞬だった。



 カカシの腕はその胸をとらえ、真っ赤な返り血を真っ向から浴びた。
 生暖かい血と柔らかな肉片が、周囲に飛び散った。
 そして――――――
 さきらの視界を邪魔していたその霧は、嘘のように晴れていった。



『……っ!!』
 さきの瞳に映ったのは、カカシと、再不斬と、そしてその間にいるはずのない白だった。
 その光景に、さきは両手で口を覆い、絶句した。
 カカシの腕は、あの白という少年の胸に突き刺さっていた。



(……なんであの子が?!)
 一瞬、訳が分からなかった。
 ナルトとサスケと闘っていたはずの白が、再不斬に背を向けて、カカシの術に飛び込み死んでいるその理由が。
 再不斬に呼ばれたのか、何かそういう契約でもしていたのか、ぐるぐると様々な憶測をしていく中、さきはある白の言葉を思い出し、その眼を見開いた。
 "ボクは大切な人を護りたい…その人の為に働き、その人の為に戦い、その人の夢を叶えたい…それがボクの夢。 そのためならボクは忍になりきる。"
(なんて、純粋で…意思の強い子…)
 白は再不斬を自らの死をもって、その死から守ったのだ。


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