第51章 SILENT KILL
―――――― ほんの少しずつ霧が晴れてゆく。
さきがカカシの忍犬たちの気配を感じ取っていた方向には、その忍犬に全身を抑えられた再不斬と、それに対峙するカカシの姿があった。
だが、さきやサクラがいる場所からは、まだカカシや再不斬の姿は見えないでいた。
カカシは素早く印を組み、右手に集中する。
バチチチチチと、強い電気の音が響き渡った。
「雷切!!」
カカシの右手には水色のチャクラが激しく光り、その術の名の通り、まるで雷のようにバチバチと無数の光が空気中を駆けていた。
もう再不斬に逃げ場はない。
「お前が殺そうとしているタズナさんはこの国の勇気だ。 タズナさんのかける橋はこの国の希望だ。 お前の野望は多くの人を犠牲にする。そういうのは…忍のすることじゃあないんだよ。 もう一度言う。諦めろ。 お前の未来は死だ。」
カカシは冷たい声で、諭すように言った。