第51章 SILENT KILL
再不斬はさき、サクラ、タズナの三人の背後へ音もなく忍び寄った。
首切り包丁を手にし、猟奇的と言っても過言ではない殺意を以て力強くその足が踏み込まれた。
「えっ?!」
サクラがその再不斬の気配と音に漸く気がついた。
(まずい! 間に合えよ!!!)
カカシがバッと素早く三人の後ろへ回った。
しかし、
「遅い!!」
大きな首切り包丁が勢いよく振り下ろされた。
このままでは間に合わない…――――――
『カカシ!私が!!』
カカシの目の前を、ピンクブラウンの髪が掠めた。
ギィィィン!!!と刀同士が交わり合う音が響く。
さきの抜いた蛍丸が、再不斬の首切り包丁を間一髪受け止めたのだ。
『~~っ!!重…っ!』
あまりの重量感に体を支える足がズルリと後ろに後退してしまう。
「またお前か…あの時のような力は無いようだが…?」
再不斬は懸命に刀を受け止めるさきを見るなりニヤリと不敵に笑った。
『カカシにもう傷は…負わさせない!!』
さきは力いっぱい首切り包丁ごと再不斬を薙ぎ払い、彼との間に距離をとった。
間一髪、さきのお陰で誰も殺されずに済んだ。
カカシは胸を撫でおろした。
(あと少しでもさきのガードが遅ければ、確実にオレの胸も斬られていただろうな…)
「ククク ガードに入るのがこの女より遅れたなぁカカシ! 大層な眼をもってても敵の動きを読む力が鈍ってるぜ。
もっと楽しませてくれよォカカシ…心配しなくてもガキどもは白がそろそろ殺してる
『再不斬…ちょっと五月蝿いよ…カカシが“眼”しか使えないとでも思ってる? それに、いつから敵はカカシだけになったの?!』
さきはカカシを挑発する再不斬の話を折り、再び攻撃を仕掛けた。