第51章 SILENT KILL
カカシが写輪眼を使用しようとした矢先、躊躇無く間合いをいきなり詰めてきた再不斬はクナイでその左目を狙ってきた。
ボタボタと音を立てて、カカシの手から真っ赤な血が滴り落ちる。
咄嗟に目を庇ったカカシの手には、そのクナイが深く刺さっていた。
「やはり写輪眼は怖いか再不斬…」
「忍の奥義ってのはそう何度も相手に見せるもんじゃねーだろ」
「感謝しろ。 二度もこの目を拝めるのはお前が初めてだよ…そして三度目はない。」
再不斬は口布の下でニヤリと笑い、白というあの少年について話し始めた。
あの子は自らの手により徹底的に戦闘術を叩き込まれた戦闘機械…血継限界という恐るべき機能を兼ね備えた自分の高度な道具だ、とさも自慢げな様子だ。
「俺を倒したとしても白には勝てねぇよ」
カカシのこめかみに、薄っすらと力が入った。
再不斬の話は彼にとってまさに退屈極まりない…それに虫酸の走る話だった。
(オレの部下たちは俺の道具なんかじゃあない。…あの子もお前の道具ではないだろう。)
純粋で忠実な白の思いを先程聞いたばかりのために、それは極めて不快だった。
「他人の自慢話ほど退屈なものはないな…そろそろいかせてもらおう!」
カカシは今度こそ額当てを持ち上げ、左目の写輪眼を顕にした。