第51章 SILENT KILL
『カカシ。あれはきっとただの術じゃないよ。 破るには、私達二人で行かなきゃ多分無理…』
「ほう…洞察力があるな彩火師」
再不斬は口端を吊り上げ不敵に笑った。
「やはりな…あれは血継限界。この写輪眼と同種のもの。 コピー不可の上、破る方法も皆無か…」
『…うん……』
そう、あの鏡のドームのようなものは氷遁―――水と風の性質変化を同時に発動し組み合わせたものだ。
これはまずいな…と二人が思案している時、その中から白の声が聞こえた。
「恨まないでください。ボクは大切な人を護りたい…その人のために働き、その人のために戦い、その人の夢を叶えたい…それがボクの夢。
その為ならボクは忍になりきる。 あなた達を殺します。」
その声色からわかるように、彼の意思はとても固く強いものだ。
間違いなく本気で殺しにかかってくる。
ナルトとサスケはやって見ろと言わんばかりのやる気顔ではあるが、彼らはその白の相手をしなくてはならないことを、果たして本当の意味で理解しているのだろうか。
私も人を殺したことなんてない。が、
彼らにそれをさせるのは不本意極まりない。
だからこそ…
『サスケくん!!』
さきは大声でサスケの名を呼んだ。
『アンタは私の弟分なんやから、生半可な気持ちで戦って、やられましたじゃ済まされないからね! 二人とも…何がなんでも生きてなさい!』
カカシ、私が貴方を護るから…
“二人で、あの子達を護ろう”
カカシもまた、恐らくさきと同じ事を考えていた。
「悪いが、一瞬で終わらせてもらうぞ」
そして、写輪眼を覆う額当てに手を掛けた。