第49章 若きその姿に学ぶ
『ふふ… カカシはほんまに良い先生やね』
さきは彼に聞こえない程小さな声でつぶやいた。
カカシは私からすると、立派な勇将であり、とても人間らしい人間だ。
(そんな素敵な人の下に自分もついているんだ。)
よいしょ、と小さな掛け声とともにさきは降ろしていた腰を浮かせた。
『ね、わたしもいーい?』
サクラに足を押さえるように頼み、さきも腹筋トレーニングを開始する。
すると、「それじゃ甘いぞ~これ持ってやれ」とカカシも便乗し、さきの両腕を胸の真上にバンザイさせ、何キロあるのか分からない重たい重石を手に持たせた。
『ちょっカカシ…!…にぅ~…っ!!』
「さきさんファイト!25…!26…!」
「はい、もっと腕に引っ張られるよーに…」
―――――― そんなカカシが、私をいつも動かすんだ。