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【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第3章 Talking Night


◆ 

 高かった日は、いつの間にか落ち、既に夕刻。
 一日中、本やら巻物やらの資料を漁ったが、良い収穫は特になかった。


 カカシは、自分の後ろにずっとついて歩いてる彼女を横目に確認しつつ、数名の担当の忍と作業を進めていた。
 その中で、さきは恐らくとても真面目な性格であることがわかった。

 昨日の写輪眼についての書物のこと……
 忘れているかと思いきや、彼女の目に止まるなりサッと持ち出し、自分と共に歩きつつもそのページをめくる手は止まらない。
 紙の色が変色し、埃を被ったような木の葉の里についての古い文献も、コホコホと咳をし、パタパタと手で扇ぎながらジッと真剣に読み続ける。
 オレと彼女の目が合ったのも、ここに入る前だったかもしれない…


「さて…さき、今日はここまでにしよう。疲れたでしょ。」

  カカシは一日中資料と格闘していた彼女を気遣い、声をかける。

『ううん、平気。 カカシこそ疲れたんちゃう? あの巻物全部読んでたんやから。』

 そう柔らかく笑う彼女は、逆にカカシを気遣うように返答した。


(…なんか、調子狂うな、どーも。)

 カカシと年齢の近い里のくノ一はみんな、自分を腫れ物に触るように扱うタイプか、キャーキャー一言ひとことに喚くタイプの二つに一つ。
 紅やアンコのように普通に接してくる奴もたまにいるが、なかなか彼女らやさきのように話が出来る人はいなかった。


『ありがとうカカシ。』


 真面目で、優しく気遣いの出来る女性。
 出会ってすぐの彼女のことを、もう少し知りたいと思ってしまう自分。
 さきに興味を引かれているその事実は、カカシをほんの少し不機嫌にした。
 否、カカシは少し動揺していたのだ。


「別に…仕事をしただけだよ」
『…うーわ、かわいくないね』


 その感情を、ひねくれた言葉で押さえ込んだ。


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