• テキストサイズ

【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第3章 Talking Night


 二人の歩みを、夏の風がフッと押し出し、1歩ずつ進める。
 人々の声と、セミの鳴き声、ジリジリと熱い太陽と風の吹き抜ける音…
 一歩前を歩くカカシの背を見ながら、さきはこの世界のことを考えていた。


 目の前には、目的地である図書館が見えてきた。
 さきは歩みを止め、真っ直ぐ先を見つめる。



『…もし、帰れんかったらさ、このまま』
「ん…元の世界に?」


  カカシもさきの声に足を止めた。


『そ。…そしたら私…忍になってみようかな』



 クルリと顔だけこちらを向いたカカシ。
 驚いた表情で一瞬さきを見つめたが、すぐに笑顔になった。


「それは楽しみだな…お前は人並みにチャクラを持ってるし、あの剣の腕があれば、いい忍になれるかもね。」



 忍は、生半可な気持ちでなれるものじゃないかもしれない。
 でももし、仮にもし、このまま帰れないのならば、私はここで生きる意味をみつけなきゃならない。
 死ぬのは、生きるのと同じように難しい。
 また、生きるのも死ぬことと同じように難しい。


 “この世界”で生きること。
 それはきっと、“私の世界”で生きることとまた違うもののような気がしたのだ。


/ 641ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp