第47章 空白の時間
彼女の落ち込む表情に、カカシはフッと力なく笑い、優しい声色で続けた。
「誰にだって予想外のことがあるもんだ。あまり気負いしないの。
何にせよ発熱程度で済んで本当によかった…けど、お前も暫くちゃんと寝ていろ。 チャクラはかなり消費されてる上、身体にかなりの負荷がかかっていたハズだからね。」
『はい…すみません…』
「とは言っても、オレもこの通り今は動けないから全然説得力ないけどねぇ」
カカシも少し情けなさそうに、今度はハハと小さく声を上げて笑った。
再不斬のような強敵が相手の場合、写輪眼の使用は余儀なくされるが、カカシの身体への負担はあまりにも大きすぎる。
さきはそのことについて懸念を抱いていた。
(…カカシの写輪眼のような特別な力は私にはない。 あるとすればこの少し変わったチャクラだけ…)
カカシの負担を減らすためには、この、自分にしかないものを極め切らないことには、まず彼を護れない。と、同時に使命感に似た気持ちにも包まれる。
『ねぇ……今日の暴走しちゃった力って、コントロールすることってできんのかな…』
「え? でも、あれは意識外のことでしょ」
『うん…やから逆に、意識的にできないかなって。 今回はたまたま感情の起伏がきっかけだったわけであって…もしそれが意識的にできるのであれば…』