第47章 空白の時間
「さきのチャクラを以前確認した時、感情の起伏によってもその色が変化していたのは間違いないが…若しかすると、実はそれはチャクラの流れ方にも影響するのかもしれない。
ま、あくまで仮説だけどね…オレはあの時、再不斬の術中にあったし、お前の目の前ではナルトが殴られ、サスケも再不斬にやられていた。
その直後に、お前がナルトを再不斬から守るために飛び出してきたんだよ。」
『私がそれを見て、怒ったからってこと?』
「断定はできない。 が、恐らくな。 アイツと交戦している時も、お前はずっと叫んでたしなぁ」
『なんて言ってたの?私』
「ん~…ま、仲間に手を出すなとか、オレ(カカシ)に手を出す奴は殺すとか…そんな感じだ。」
『そんなこと言ってたの…』
「それ自体は別に良いけど…問題はお前が高濃度なチャクラを放出し続けていたことの方だ。 記憶がないってことは無意識だったんだろうけど、チャクラが全くコントロールされていない状態で、物凄い勢いで放出されてたもんだから、あのまま放っておくと、恐らく数分足らずでお前はチャクラ切れで倒れていたよ。」
(あぁ成程。それであの時カカシは止めてくれてたのね…)
さきはようやく、再不斬を倒せたかもしれない状況で、何故カカシが自分を止めていたのかという点で納得した。
「例えるなら、オレが後先を考えずに、写輪眼を使用しながら雷切を何発も連続で使うみたいなモンだよ……お前は更に彩火まで使おうとしてたからな。
これはまずいと思って…アレにはオレも結構焦ったな。」
『ごめんなさい…ありがとうカカシ。止めてくれて。』
さきはシュンと肩を落とした。
確かによくよく考えてみるとかなり無茶苦茶だ。
しかもそれら全て、頭に血が上ってしたこととなると、忍として情けないことこの上ない。
冷静さをかいた行動はカカシだけでなく、下忍の三人にも迷惑を掛けてしまう。
仮にも自分は特別上忍として認められた立場なんだ。
こんなこと、本来あってはいけないことだ。と、さきは記憶にないその"空白の時間"を悔やんだ。