第47章 空白の時間
(無茶か…)
それは多分、先程皆に教えて貰った事だろう、と安易に予想がついた。
とはいっても、さきとしては全く記憶にないものだから無茶も何も無いのだが……
『それが覚えてなくて。 …私どうしたの?』
「……前に、お前のチャクラは線香花火みたいだって言ったことあるだろ? チャクラの練り方で流れ方が変わってるって」
『うん、勿論覚えてる』
「さっきのお前は、オレのもつ写輪眼だけじゃない、ただの肉眼でもハッキリと見える程、松葉のように緑のチャクラをバチバチと燃やすように輝かせて、全身から放出してたんだよ。」
『えっ……』
肉眼で見える程のチャクラと言えば、カカシの雷切のように高濃度で、また質の高いチャクラということになる。
さきは思わず言葉を失った。
「それだけじゃない…さき、お前はそのまま再不斬に向かっていき、とんでもない力で奴を圧倒した。 あの首斬り包丁にも力負けせず、ヤツの胸に一太刀浴びせたことにはオレも驚いたよ。 仮にも元忍刀七人衆の一人相手にな…」
さきはあまり自分の腕力には自信がなかった。
たとえさきでなくとも、女性があの大男の振るう刀に耐えられる方が難しい。
(なのに私があの大刀に負けなかったなんて…本当に?)
熱に侵されあまり力の入らない手を、さきは布団の中で軽く握った。
『…それで、なんで突然私が再不斬の方へ?』
「んー…ま、これは確かではないし、あくまでオレの個人の考えだけど…恐らくお前の怒りが原因だろうな。」
「怒り…?」