第47章 空白の時間
――――――彼らの話を聞くところによれば、私はナルトを傷付けようとしていた再不斬の持っていた手裏剣を蛍丸で防ぎ、その流れで再不斬と交戦状態になったらしい。
再不斬は首斬り包丁を使い、自分の振るう蛍丸との斬り合いの末、再不斬の胸に傷を負わせた。
そしてそのまま私は止まることなく攻撃を続けていたらしい。
「姉ちゃんめちゃくちゃ強くて、その間何かを叫んでたみたいだったけど、オレってばそれどころじゃなくて聞いてなかった」
『…それで、どうしてカカシは私の事を止めてたの?』
私が一太刀浴びせたというのなら、そのままにしていれば若しかすると自分が再不斬を倒していたかもしれないのに…それがさきの考えだった。
「オレ達もあまりよく分からないが、明らかにお前の様子がおかしかったからだろう。 スピードも攻撃力も異常だった。…まるで人が変わったようにな。」
「……そういえば、さきさんは、体なんともないの? ここへ来る前から気にはなってたけど…さきさん少し熱あるんじゃない? 顔色も良くないし」
サクラは心配そうな顔をしてさきの顔を覗き込んだ。
さきはギクリとして顎を引いた。
(そう言えばさっきからフラフラするとは思ってた。 大したことなさそうだし、軽い貧血かと思って何も言わなかったけど…)
「カカシ先生もあん時はすっげー焦ってて、姉ちゃんのこと必死に止めてたってばよ。」
(…私が、私の意識外で暴走したってこと?)
それでカカシは自分を止めていたというのか。
―――でも、なんでそんなことに?
『ん~…考えても分らんし覚えてないし…カカシが起きたら聞いてみなきゃね』
さきは未だ少しふらつく身体に鞭を打ち、この三人と共にカカシが目覚めるのを待った。