第46章 敵現る
グラリ…とさきの目の前で再不斬はその巨体を地面へと沈ませた。
千本が飛んできた方向をすぐさま確認すると、ナルトたちと然程変わらない年齢の身丈をした仮面の子どもが木の枝の上に器用に立っていた。
カカシは直ぐにこちらへ降りてきて再不斬の脈を確認する。
「確かに死んでるな…」
首に宛がったカカシの二本の指からは、ピクリとも脈を感じられなかった。
「ありがとうございました。 ボクはずっと確実にザブザを殺す機会をうかがっていた者です。」
こちらにペコりと頭を下げた少年は、自身の素性を知られぬよう霧隠れの追い忍の面をつけていた。
『……あんな子も…おるんやね…』
それがさきの正直な感想だった。
彼は恐らくまだ10代前半くらいの少年だ。
それなのに、なんの躊躇もなくそして全く無駄な動きもなくして再不斬の命を奪った。
(…これが、忍の世界。)
さきはひしひしとその過酷さを痛感していた。
「何なんだってばよ!!! お前は!!?」
離れた場所でいたナルトも、苦戦を強いられていた自分達と彼を比較して、納得がいかないと大声を上げた。
「ま、信じられない気持ちも分かるが、これも事実だ…」
カカシはポフとナルトの頭を撫でて宥める。
「この世界にゃお前より歳下でオレより強いガキもいる」
霧隠れの追い忍だという少年は、音もなく再不斬の元へと降り立ち、死体の処理のため失礼するとさき達に告げ、その小柄な体に軽々と再不斬を担ぎ、消えるように去っていった。