第46章 敵現る
さきが、さぁ私もみんなの所へ…と足を一歩踏み出した時、少しふらっと頭が揺れた。
とほぼ同時に、突然グラリと倒れ込むカカシを目にした。
『カカシっ!!!』
自分の不調のことなど一瞬で忘れ、カカシに直ぐに駆け寄って倒れこまないよう支える。
カカシはドサリと全身の力を抜き、さきにもたれ掛かかった。
『写輪眼のせいやね……大丈夫?カカシ…』
カカシは何とか返事はしてくれるが、今まで見た事のないカカシの姿に、さきも流石に少し困惑していた。
結局、護衛するハズのタズナさんがさきよりも力持ちだったため……というよりも、さきがカカシを運ぶことをカカシが物凄く嫌がった為に、わざわざタズナさんが力を貸してくれて、ご自身のお宅までカカシを運んで下さった。
カカシは写輪眼の影響で身体を1週間程動かせないようで、用意して貰った布団の中で、忍者の最期について語った後、すぅと溶けるように眠ってしまった。
(カカシが寝落ちするとこなんて初めて見た…)
さきの胸は、またチクチクと傷んでいた。