第46章 敵現る
さきの身体は、線香花火の松葉のように激しく燃える緑色のチャクラに包まれていた。
だんだんと意識がはっきりとし、彼女に五感が戻ってくると、全身から放出されていたチャクラもゆるゆると収まり、右手の彩火玉もフッと消えた。
『え…何がどうなって…?』
「よかった。戻ったか…。 …説明はあとだ。 オレから離れたら向こうにいるタズナさんと三人を頼む。 その後、援護してくれ。」
『えっ』
カカシは戸惑うさきから離れると、すぐさま長い印を結び始めた。
少し遠くには同じように印を結ぶ、胸元から血を流している再不斬の姿。
これから起こりうる事態を把握したさきは、カカシに言われた通り瞬身の術で素早く移動し、その間に蛍丸を右手に持ち直して鞘に収めた。
そして皆の元へ降り立って直ぐに、さきは彼らに指示を出した。
タイミングよく、カカシの印が酉となる。
『流されないようにみんな耐えて!!!』
「「水遁 水龍弾の術!!」」