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【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第46章 敵現る


「実はワシは長恐ろしい男に命を狙われている…」
「…誰です?」
「海運会社の大富豪、ガトーという男だ。」



 ガトーとは世界有数の大金持ちの男だ。
 表向きは海運会社、裏ではギャングや忍を使ってあくどい商売を生業としている。
 波の国に目をつけた彼は、波の国の交通だけでなく、全ての富を独占した。
 そしてガトーが恐れているのは、タズナさんたちが建設している橋の完成ということだ。
 そのガトーから守って欲しいというのがタズナさんが本当に依頼したい内容だったのだが、波の国は現在かなり貧困が進んでおり、お金が無く、それが出来なかった…ということだ。



「なーにお前らが気にすることは無い! ワシが死んでも10歳になるかわいい孫が一日中泣くだけじゃ!
 あっそれにワシの娘も木の葉の忍者を一生恨んで寂しく生きていくだけじゃ!」
 タズナさんは先ほどまでの真剣な空気と一変して大きな口を開けてゲラゲラと笑う。
 さぞ愉快そうにチラリとカカシとさきに目配せをしながら。



『え…せこくない…?』
「…まさに最悪の依頼人だな」
 そんなの断われるわけがない。
 二人はコソコソと文句を言い合った。
 そして「はぁ」とカカシは浅い溜息をつき「ま!仕方ないですね。 国に帰る間だけでも護衛を続けましょう!」と任務続行を決断した。



 波の国へは、敵に気付かれないよう、正規ルートを通らずわざわざ船を手漕ぎして頂き、裏ルートを使って入国した。
 深く濃い霧の中を進むと、目の前に見えてきたのは大きな建設中の橋。
(これがタズナさんの作っている橋……)
 それはとても大きく立派なものだった。



 船を降りてからも、タズナさんの護衛は続いた。
「次に奴らが襲ってくるとしたら中忍じゃなく上忍レベルに違いないな……」
『私もそう思う…いややなぁ…』
 カカシとさきの二人はこれから起こりうる最悪の事態を予測して、ゲンナリと肩を落としていた。


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