第46章 敵現る
そんな彼女たちの目の前で、先程の戦闘でサスケへのライバル心に火がついていたナルトが、いきなりトンチンカンな方向に手裏剣を投げ始めた。
『っわ!?』
その場に居合わせていた全員がその行動に全力でビビる。
……当然、何も起きない。
「こ、こら! 頼むからお前がやたらめったら手裏剣使うな……マジでアブナイ!!」
カカシが冷や汗をたらりと垂らしながらナルトに言い聞かせようとするも無駄で、彼はまたキョロキョロと余所見を始める。
その時、
「『…!!』」
ふとさきとカカシが何かの気配を感じ取った。
「そこかぁーーー!」
その隣でナルトが茂みに向かって再び手裏剣を投げつける。
それは二人がつい今しがた何かの気配を感じた方向。
カカシは直ぐに確認に向かった。
さきもチラリと横目にその様子を確認する。
そこに居たのは、感じた気配とは別物の、ただの真っ白なうさぎだった。
(え…?うさぎ…の気配やった?今の…それにしては何か…)
さきはザワつく胸を抑えるよう、ギュッと両手に力を込め握りしめた。
―――――――― するとまたあの何かの気配を感じた。
―――――――― 同時に響くカカシの大きな声。
「全員伏せろ!!!」