第41章 仙人との出会い
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『すみませんすみません。 ストーリーがどうって話じゃなくてシチュエーションがあまり好みじゃなかったといいますか、あんまりリアルじゃなかったもので…』
自来也には、どうも自身の作品を馬鹿にされたと思われたようでプンスカしていたので、さきは違う違うと一生懸命否定した。
あれでも(失礼)結構人気のシリーズらしく、思い返してみればカカシも、数か月前のクリスマスにプレゼントした“イチャイチャバイオレンス”を含めて、今出ている作品は全て揃えているようだった。
「ったく、近頃の若ェもんは…大人の味というものを知らん」
『ハハ…いやでも私一応四捨五入すればアラサーですけどね…』
ひょんな事から知り合ったこの自来也は、木ノ葉隠れの里出身とのことだ。
痴漢行為はさて置き、一応木の葉の里には本当に用事があったらしい。
本当にお仕事中だったのかは怪しいが、もしそうならその邪魔をしたのは申し訳無かったと思い、さきは分かりやすい道までは送ることにしたのだ。
二人は場所を移し、あの滝壺からそう遠くない少し開けた場所へ来ていた。
「それで、お前さんはこんなところで何をしとる。 見たところ、木の葉の忍だのォ」
『一応、修行中の身でして。 私は木の葉の下忍で、来月の中忍試験の第三試験のためにあの場所で修行してたんですが、今日はどうも先客が…』
「ほぉ…中忍試験か。 よくお前さんのような女がこんな所で一人で修行なんてしていたもんだのォ」
自来也は口角を僅かに上げて静かに笑う。
『女と思って馬鹿にしないで下さい。 私は強くなる為の努力なら、何でもします。』
自来也は、力強く真剣な眼差しを前方へ向けるさきを見て目をぱちくりさせ、ふっと笑った。