第40章 私は貴方で、お前はオレで。
カカシは、さきを見送ってから丸五日間、自分の任務と第七班の任務をこなしつつ、目の前にいるさきの心配をしていた。
だが、驚いた。
『久しぶりやねカカシと揃ってご飯食べれるんてさ…早く帰ろうっ?』
「ああ」
彼女は、あの日から怪我をした様子もなく帰ってきた。
『カカシのご飯が食べられる~♪』と口にしながら、ふわふわと髪を揺らし、嬉しそうに隣を歩くさきに視線を落として、ほんの少しだけ彼女の歩みよりゆっくりと歩きながら話を聞く。
「さき、第二の試験はどうだった?」
『緊張した! でもそこそこいいチームワークで何とかゴール出来たよ。 敵との交戦もあったけど、無事勝てたしね。 あそこでこうヒュッときたから私がバシィッと……』
それほど力をつけてるということなのか。
話を聞けば聞くほど、彼女が力をつける度に、何故かカカシの心には虚しさも広がった。
『…カカシ…聞いてる?』
「! …ああそう。流石だな…」