第39章 CRISIS
さきはどうすべきか考えた。
カカシは、いつも状況を素早く正確に判断する。
彼女の脳裏には、常に最前線で指示を出すカカシの姿が浮かんでいた。
(……ここじゃ戦うにしてもかなり不利よね…)
あたり一面緑の生い茂る森の中ではカブトとアイリが得意な水遁を効率よく発揮することが出来ない。
その上、カカシのように自分の動きをちゃんと読んでくれなければ、こんな見通しの悪い場所で彩火の術を使えば、その爆発が彼らを巻き込みかねない。
(まずいな…)
グルグルと思考を巡らせるさきの上空に、もう一人身を潜めていた敵が襲来する。
さきはその影にもいち早く反応し、身構えた。
敵の手には刀。
仲間の二人がやられた事で我武者羅になっているのか…特に相手に策は無さそうだが、ここは近距離戦で応戦するしか手段はない。
『んもう、しゃーないなっ…!』
私は前線に出るタイプじゃないのに…しかし、状況的にそんなことも言ってはいられない。
さきは腰に携えていた短刀を素早く抜き、高く飛び上がって競り合った。
そして、カブトとアイリにも自分を援護するよう求める。
『私が相手する! さっきの二人を拘束したら、その後加勢して!!』
「わかった!」