第39章 CRISIS
カブトとアイリは、地面に横たわっていた。
残ったさきの影分身が、なんとか二人を守ろうとクナイを敵の方へ投げ込むも、攻撃は見切られ呆気なくボフンといなくなる。
なんとか彼らを助けなくては…とさきは一瞬で思考を巡らせた。
(ここから二人の元へ走っても間に合わんか……少し場所が悪いけど、仕方ない。)
さきはすかさず印を組み、カブトとアイリの頭上へと狙いを定めた。
(そのまま二人共伏せててよね…)
『火遁・彩火 青牡丹(はなび あおぼたん)!』
バァン!!と青く丸い彩火が打ち出される。
その弾けるような炎と爆風と衝撃に、先程カブトと戦っていた者と、アイリを最初に狙った敵は勢いよく吹っ飛ばされる。
木の幹に身体が打ち付けられた敵二人は「ゔっ」と鈍い声を上げて気を失った。
『二人とも大丈夫?!』
さきは直ぐに倒れていた仲間二人に駆け寄って、彼らの安否を確認する。
アイリは痛みはあるものの直ぐに動けるような軽傷で、カブトは足を痛め歩行が困難な様子。
「流石彩火師ですね…」
『そんなことより早く! 頑張って立って!』
なるべく早く逃げて体制を整えなければと、さきは二人に手を貸し、立ち上がらせた。