第38章 SURVIVAL
「僕が知る限りですが…なかなかいませんね、そういう人って」
『…ま、そうかもね』
「だから貴方のことは、何の情報も手に入らなかったんですね。」
「情報?」
「今回の試験に出場予定の忍の情報ですよ。 僕は計算や分析が好きでして… だからちょうど良かった。さきさんと同じ班になれて。」
『そ。そう思ってもらえて何よりやわ…』
さきは、このカブトの心理が全く見えず、なんだかとても不快だった。
飄々とした性格の良さそうなその笑顔の裏に、何かあるようで…ただそれが何かは分からなかった。
彼について分かったのは、少々細かく自信家な…温和だけど少し冷徹な男の人ってことくらいだ。
もしかしたら、私が気を張っているせいでカブトのことを勘違いしているのかも…そう思うしかなかった。