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【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第38章 SURVIVAL


 暗い森の中を、三人横一列になって駆けてゆく。
 何処から誰が出てくるかわからない緊張感。
 さきは無意識のうちに強く気を張って、足を前に前に進めていた。
 彼女が発する言葉も、いつもよりどこか棘があり、素っ気ないものだった。



「先ずは、移動しながら自分たちの得意な事や出来ることを話しませんか? チームワークが大切な試験ですから。」
「そうですね。 私は水遁が得意です。 パワーはありませんが、俊敏さには自信があります。 なので陽動には私を使ってください。」
『私は火遁。 中長距離の攻撃も得意やから援護は任せて。 後ろから追撃やサポートをするから。』
「僕は体術が苦手ですが、僕もアイリさんと同じく水遁と、幻術も得意です。 なら、役割としては、陽動にアイリさん、僕が更に攻撃を仕掛けて、さきさんの攻撃で仕留めるということにしませんか?」
『わかった』
「わかりました」



 木の上を駆け抜け、真っ暗な闇の中をひたすら進んでいく。
 どんどん暗くなる闇に、このままではダメだ…とさきは思考を巡らせた。
(カカシなら、こういう時どうするかな…)



「ひとつ伺っても?さきさん」
 そんなさきに、カブトがふいに話しかけた。
『なに?』
「僕はこの中忍試験、何度も続けて受験しているんですが…アイリさんは去年の見覚えがありますけど、あなたのことは今回初めて見ました。 今まで中忍試験を受けられなかった理由は何ですか?」
『…私は下忍になってまだ数ヶ月しか経ってない。だから今回が初めての受験なんよ。』
「え?ならアカデミーはいつ卒業を?」
 横で聞いていたアイリも不思議そうな顔をする。
『私はアカデミーには行ってないよ。 昨年忍者を目指しはじめて、火影様の下忍試験に合格した。』
「へぇ……」



 カブトは何か珍しいものを見つけた時のように、さきのことをいかにも“面白そう”という表情で見つめた。


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