第38章 SURVIVAL
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_______________さきは、第一の試験を突破した。
どうやら今回の受験者は、前回の中忍試験に落ちた人ばかりが参加しているようで、一度は挫折を味わってる人達ばかりが一つの空間に集まっていた。
試験が行われる部屋の中に入るなり、痛いほどの緊張感がさきの肌を通して伝わった。
そして、その今しがた終わった第一の試験で残った忍はさきを入れてたったの42人という結果になった。
これから第二の試験が夜中を通して五日間行われる事になっている。
ここからは何でもありのサバイバル。
ランダムで組まれた忍同士協力し合って、二種類の巻物の争奪戦を行い、その二つを合わせてゴールまで辿り着けというルールだ。
ここでの試験官が、さきの友人であるアンコだった。
彼女はさきを見つけるなり、「頑張んなさいよ!」と喝を入れ、そしてさきは今からこの三人で試験に挑むところだ。
一人は、砂隠れの16歳の女の子で名はアイリ。
もう一人は…
「初めまして。薬師カブトです。 木ノ葉隠れの忍同士、お互い頑張りましょうね。」
『そうやね。 私は夜野早紀。 よろしく。』
カブトは、どこか嫌な雰囲気の爽やかな笑顔が特徴的な19歳の青年だった。
さき達のチームが持っているのは地の書。
つまり、他チームから天の書を奪い、ゴールへ向かえば良いという事だ。
アンコが同意書を全員に渡す。
その同意書にサインし、彼女の合図で次の試験が始まった。