第2章 Crying Night
言い訳かもしれないが、彼女の抱える闇の部分が、垣間見えた気がしたのだ。
―――――― あぁ、この人も、孤独を知ってるのではないだろうか。
今の彼女は、オレと同じ目をしてる。
カカシはそう思っていた。
『カカシ?』
「……迷惑なんて思ってないよ」
『ん?なに…?』
カカシは自然と微笑んで、気がつくとその言葉を口にしていた。
言葉は間違ってなかっただろうか。
優しく言えただろうか。
「だいじょーぶ。オレがいる。」
すると、あぁ、ほら また、溢れ出す。
キラキラと光り落ちるその雫は頬を伝って顎へと流れる。
顔を歪ませることなく、困ったように、美しく笑いながら泣くキミは、この月明かりの中に溶けて消えてしまいそうで、たまらなく、守ってやらなければという気持ちになった。
「…胸貸す?」
さきは一瞬、驚いたような顔をした。
自分もまさかそんなセリフが口から出るとは思ってもいなかった。
でも、直ぐにまた先程と同じように泣き笑い、さきは「迷惑じゃなければ」と呟いた。
そして彼女は“現在”オレの胸の中で涙を流している。
―――――― あぁ、これは、しまった。