• テキストサイズ

【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第2章 Crying Night


 言い訳かもしれないが、彼女の抱える闇の部分が、垣間見えた気がしたのだ。
 ―――――― あぁ、この人も、孤独を知ってるのではないだろうか。
 今の彼女は、オレと同じ目をしてる。
 カカシはそう思っていた。



『カカシ?』
「……迷惑なんて思ってないよ」
『ん?なに…?』



 カカシは自然と微笑んで、気がつくとその言葉を口にしていた。
 言葉は間違ってなかっただろうか。
 優しく言えただろうか。



「だいじょーぶ。オレがいる。」



 すると、あぁ、ほら また、溢れ出す。
 キラキラと光り落ちるその雫は頬を伝って顎へと流れる。
 顔を歪ませることなく、困ったように、美しく笑いながら泣くキミは、この月明かりの中に溶けて消えてしまいそうで、たまらなく、守ってやらなければという気持ちになった。



「…胸貸す?」



 さきは一瞬、驚いたような顔をした。
 自分もまさかそんなセリフが口から出るとは思ってもいなかった。
 でも、直ぐにまた先程と同じように泣き笑い、さきは「迷惑じゃなければ」と呟いた。


 そして彼女は“現在”オレの胸の中で涙を流している。



―――――― あぁ、これは、しまった。


/ 641ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp