第34章 Sランク任務 -4-
その時、背後からまた何やら人影がこちらに向かって走ってくるのが見えた。
それはナルトの一期上のガイ班の子供たちだった。
リーに追いかけられるネジ…そしてそれを「待ってよ」と叫びながら追いかけるお団子ヘアのテンテン。
彼ら三人は、まだナルトたちと面識はないが、カカシやさきは何度かガイと任務をこなす彼らを目にしたことがあった。
ガイと瓜二つなおかっぱ頭に全身タイツのリーは、彼のことを心の底からリスペクトしていて、彼が追っているネジはヒナタの親戚のお兄さんだ。
追いかけっこ(?)しているリーとネジは、シカマルとカカシの周りをグルグルグルグルと駆け回る。
そして突然方向転換して去っていったかと思えば、今度は彼らの仲裁役であるテンテンがシカマルに思い切りぶつかった。
「やべぇっ…」
思わずよろけてしまった拍子に、シカマルの影真似の術は破れてしまう。
――――― ボフン!!!
気持ちの良い音と共に、薄い白煙が上がった。
目が点になるさきたち。
そこにいたはずのカカシは、跡形もなく消えていた。
「か、影分身…」
「初めからカカシ先生は全部知っていた...?」
『…ふふ さすがカカシ。 抜かりないね』
吹き抜けてゆく微妙な空気。
こうしてナルトたちが始めたSランク任務は失敗に終わった。