第34章 Sランク任務 -4-
畳みかけるようにいのがカカシの前に飛び出し、心転身の術を試みる。
サクラがそのサポートでいのの後ろに回った。
しかし…狙いを定めて術を仕掛けるも、惜しくも目の前を横切ったカエルに乗り移ってしまい、心転身の術は敢え無く失敗に終わってしまった。
「おい、お前たち! オレの顔を見たいようだが、状況を考えろ!! 今は早くこの人を病院へ……」
「連れて行くのが優先だ」とでも言おうとしたのだろうか。
カカシが言い終えるその直前、彼の背後からシカマルが影真似の術を仕掛けた。
カカシに身を預けていたナルトが腕の中でニヤリと笑い、体を起こしてカカシから離れる。
「今だってばよ! スケアの兄ちゃん! さきの姉ちゃん!」
その声を合図に、クロを抱えたさきとスケアは隠れていた長屋の屋根から飛び降り、カカシの前に着地した。
『やっと成功やね? ナルトくん』
「これでラーメンもギョーザも食べられるよ?」
遂に追い込まれたカカシ。
忍者駆け出しの下忍チームでも、流石に十数名が協力すれば、天才忍者の足を止めることは可能だということか。
カカシの後ろからは、シカマルが影真似の術で彼の手を操り始める。
カカシの悲願の声もむなしく、ついにその長い指が鼻にかかるマスクを摘まんだ。
スケアはカメラをしっかりと構え、さきはクロの肩に回している手にギュッと力を込めた。
徐々に下ろされていくマスク。
明らかに焦っているカカシ。
その顔にはキラリと光る冷や汗が見えた。
『観念しなさいカカシ。 たまには子供たちに夢を見せてあげて?』
「さき…」