第34章 Sランク任務 -4-
暫くしてさきとクロが二人でプランB開始の場所へ向かうと、プランAを失敗してこちらに向かってきていたスケア率いる子供たち一行にタイミングよく出くわした。
「さきさん、プランA失敗よ! ここでカカシ先生を迎え撃つわ!」
『あ、そうなの?』
いのの報告に、どこかほっとした様子のさき。
気を取り直して皆のプランBに加勢することにした。
長屋の屋根に隠れて、大通りをカカシが通るのを待つこと数分。
遠くの方から美女(ナルト)を抱えたカカシが急いだ様子でやってきた。
彼女が危ない状況だと判断したカカシは、自ら何か処置を施すのではなく、病院へ連れて行った方が懸命だと考えたのだろうな…とさきは思った。
このプランBとは、そのカカシを全員で邪魔し、なんとかシカマルの影真似の術に持ち込んでカカシにマスクを降ろさせる…というもの。
先陣を切ってカカシに立ち向かっていったのは、秋道チョウジだ。
彼の得意な秋道一族の秘術・肉弾戦車で攻撃する。
しかし、その強力な攻撃もカカシは難なく躱してしまった。
「何をするんだ! 今はこの人を早く…」
それが本物の怪我人ならごもっともだ。
しかし、カカシが大切そうに抱えているのは変化しているナルト…そのことを知っている以上、子供たちの頭には“手加減”なんていう文字などどこにもなかった。
高く飛びあがったカカシが着地しようとしている足元には、シノの虫たちが待ち受けていた。
真っ黒な塊がカカシの足にゾロゾロと纏わりつく。
カカシはシノの寄壊蟲によって拘束されてしまった。
(よし、捕まえた!)