第33章 Sランク任務 -3-
カカシとナルトが解散した後、さきたちは少し離れた別の場所に集合して撮れた写真を一枚ずつ確認していった。
しかし…
『………ないね…一枚も』
それは本当に見事なもので、鳩が飛び立つ瞬間も、赤丸に追いかけられ羽が散っている瞬間も、赤丸の素晴らしい大ジャンプも全て綺麗に捉えられているのだが…その後ろで団子を頬張っているはずのカカシの口元はどの写真にも写っていなかった。
それも、あと数ミリこの羽が動いていてくれたら見えたのに…!などと思うほど絶妙なタイミング、絶妙な写りで、うまい具合に口元が隠れているためなんだかもどかしくて気持ち悪い。
「なんか、神の力さえ感じるな…」
いつもクールなサスケが中二病じみた感想をポロリとこぼすくらいなのだから、相当なものだということは安易に想像できるだろう。
はぁ~と重い溜息と共に肩を落とし、諦めかけていたさきたち。
あまりに手強いターゲットに参ってしまったスケアとクロは仕方なく、別の案件を探そうか…と、彼らと別行動しようとしていた。
すると、そんなスケアの背後からナルトたちと同期の男女ヒナタ、イノ、シカマル、キバ(赤丸つき)、チョウジ、シノの六人がタイミングよくやってきた。
ここはもう、協力戦…チームワークでいくしかないとナルトは再び意気込む。
後から合流した六人もカカシの素顔には興味深々で、ナルトの提案に快諾した。
そして、暫くの作戦会議の結果、まずはプランAを実行することになった。