• テキストサイズ

【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第33章 Sランク任務 -3-


 次の作戦は、カカシを食事に誘い、食べるところを写真に撮るというもの。
 これはスケアの作戦だ。
 既に何度か試みたことがある三人は口を揃えて「無理無理」と言ったが、その隣でクロはスケアのバッグから何やら大きな物を取り出して見せた。



「お兄ちゃんの連続撮りカメラなら一枚は撮れるんじゃないかなあ…」
「そういうこと」
 そうと決まればナルトは早速、カカシを甘味処の人気店、甘栗甘へと誘い出した。





「せんせ~~っ折入まくって話があるんだってばよ!」
「なーに?」
 カカシはナルトの話を聞くため、店の前に出ている席に腰かける。
 ナルトは「まままま、団子でも食いながらさ…」とみたらし団子の乗った皿をカカシに差し出した。
 さきたち待機組は目の前の木陰に身を潜め、絶好のシャッターチャンスを窺っていた。



(って、ちょっと待って? カカシは甘いもの苦手なはずよね? こんなところに連れてきてもマスクを外すわけ…)
「じゃあまあ、遠慮なく」
 そんなさきの心の声をよそに、カカシは美味しそうなみたらし団子の櫛をつかみ、ナルトに笑顔を向けた。
 ピンク色の唇をムッと尖らせるさき。



『もう…撮っちゃえスケアさん。私とは…甘味処になんて来てくれないのに…』
 なんだかナルトに負けたみたいで悔しい。
 さきはカメラを顔の前に構えるスケアに声援を送った。
 団子を食べるために、マスクにそっと左手をかけるカカシ。
 再び場に緊張が走った。



 …その時、ナルトたちと同期であるキバと赤丸がタイミングよくやってきた。
 あっと気付いた次の瞬間、犬の赤丸は、ぽろっく~ぽろっく~と団子屋の目の前で長閑にのどを鳴らしていた鳩たちに突然襲い掛かっていった。
 バサバサバサ…と勢いよく羽音を鳴らして飛び立つ鳩。
 さきはすっかり鳩と犬に気を取られてしまっていた。
 ハッと気づいた時には既に時遅し。
 カカシはそのたった数秒の間に全ての団子を口に放り込んでいて、もぐもぐと咀嚼しているところだった。


 しかしこちらには自称写真家のスケアさんがいる。
 目撃できなかったとしても、きっと一枚くらい良い写真が撮れていることだろう。
 カカシに団子を奢ったナルトも、これはイケただろうとニヤニヤと薄気味悪く笑った。


/ 641ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp