第32章 Sランク任務 -2-
「変わってもらってもいいですか?」
スケアは、そんなサスケに代わり自分がピッキングをやってみせると名乗り出た。
大丈夫か?と思いつつも、サスケは使っていた道具をスケアに託す。
スケアがカチャカチャと鍵穴をいじることほんの数秒。
大きな錠前が外れた。
『…スケアさんあなた…』
驚くさきに続けてサスケが、前はどこの部署にいたのかと問うと、予想の遥か上を行くエリート部署…火影直轄の情報収集班出身だということが分かった。
(…大丈夫なんかな? 普通に心配するんやけど。そんな人がこんな危ない橋渡りして…)
スケアが言うことには、色々あって今は引退しているらしいのだが、暗部出身ということは恐らくカカシ同様、相当腕の立つ忍者だったということが安易に想像がつく。
本人は「平気平気」と何でもないように言うが、そんな話を聞いたこちらからすると、変な気を使ってしまう。
『ばれんといてよね。 ほんまに…』
全員で、そっと書物庫の内部に侵入する。
そこにはおびただしい数の重要書類が棚に保管されていた。
「お兄ちゃん、こっち行こ」
クロとスケアは同じ方向へ行き、調査を開始する。
さきたち四人も手分けして棚を漁り始めた。
しかし、目当ての書類はなかなか見つからない。
というのも本当に物凄い量の書類で、どこに何があるのか、そして今手に取っているものが一体何なのかさえも何が何だかさっぱり分からないからだ。
それでも懸命に調査を進め…暫くすると
「あった...これだ!」
元エリート暗部カメラマンのスケアが一番乗りで書類を探し当てた。
残りの四人はクロに「こっちだよ」と案内してもらい、スケアのもとへと集まる。
その場の緊張感が一気に高まった。
さきはよくカカシの素顔を見るようになってはいたが、それでも大抵は黒いマスクに覆われているのだから…未だに素顔に慣れるということはなく、色んな意味で緊張を覚える。
さきはワクワクしている子供たちの横で、変に心臓をバクバクと鳴らしていた。
「ついにこの時がやってきたってばよ…」
スケアはゆっくりと忍者登録書を封筒から取り出した。
カカシの写真が見えた。
(あぁ、もう鼻のあたりまで見えて…)
「動くな」