第32章 Sランク任務 -2-
「少しでも動けば反抗の意とみなし、場合によっては処理する。」
(うわー最悪…ばれちゃった…)
さきたちの背後には、動物の面をつけた暗部が数名、ピリピリとした空気を醸し出して立っていた。
そんなことを言われてしまっては、さすがのさきもスケアも動けない。
背中に鋭く刺さるような視線をピシピシと受けながら、その場にいた六人全員が火影様のところに連行されることになってしまった。
こっぴどく叱られたさきたちは、後に現れたカカシとともに頭を下げ、なんとかお許しを得ることが出来た。
「何が潜入ミッションだ。」
「すみません。 僕も止めたのですが、この方たちがどうしてもと言うので」
「はぁ…で?お前も何やってんの?さき…」
『ハハ ごめんね。 ちょっと遊びすぎちゃった……』
「カカシさんの素顔が見たいというので」
「あなたは確か元暗部でしょ? ったく…私の素顔がどうしたこうしたなんてどうでもいいでしょう?
さきも、コイツらの面倒見てくれるのはいいが、程々にしておけよ」
カカシからの注意に、さきとスケアはアハハ……と肩をすくめて笑うしかなかった。
そんな様子を、クロはフフフと肩を揺らして笑って見ていた。
カカシが去った後も、子供たちにヤイヤイと責められ続けるスケア。
彼はこの作戦を三人のせいにしようとしたのだから、まあ無理もない。
『まあまあ、でも惜しいとこまで行ったね』
「お詫びに、カカシ先生の素顔を撮ることに協力するからさ。 今度は写真技術でね」