第31章 Sランク任務 -1-
時は遡り、昨日のこと。
『え? カカシの素顔?』
「そう! どんな顔か知ってんだろ??」
「さきさんとカカシ先生が一緒に住んでるの私達知ってるんだから!」
『は?! …え、なんで?!』
初めて三人とさきが出会ってからというもの、三人にすっかり懐かれてしまった彼女は、13歳の子供たちとなんだか友達のような関係になってしまっていて、彼らはよくさきを見つけてはいつでも話しかけてくるようになっていた。
「ヤツの素顔を探るために、何度か尾けたことがある…お前と家に仲良く入っていく所も見ているからな」
(マジか…この子達…)
私の可愛いサスケくんにも知られてるなんて…とさきは軽いショックを受ける。
特にサスケには、私生活が読めないアイドル的な感じのお姉さんでいたかったのになんだかそのイメージに傷が入ったような…
というのは冗談で、別に彼らに知られるくらいあまり問題では無いのだが、何かとさきの事を知る里の人が増えてきてるばかりに、カカシにまで迷惑を掛けてしまうのではないか…とそちらの心配の方が強いのだ。
『お願い。 そのことは他の人には内緒にしておいてね』
「……ふっふっふ」
「気持ち悪いぞウスラトンカチ。 何笑って…」
「オレってば、すんごい味方見つけちゃったってばよ~」
「味方ってどういうことよ?」
ナルトは不気味な笑顔をさきに向け、ズイっとその距離を近づけてきた。
『な、なに?』
なんだか嫌な予感がする。
「それ、秘密にしてやっからさあ…カカシ先生の素顔を暴く手伝いをして欲しいってばよぉ~」