第27章 鈴取り演習 -2-
「火遁! 豪火球の術!!」
サスケの口許から噴き出した勢いよく大きな炎の塊が、物凄いスピードでカカシに襲い掛かる。
「な…チャクラが足りないはず…!!」
流石のカカシも、この技を会得し使いこなせているサスケの実力には驚きの表情を見せた。
『…でもま、避けられちゃうか』
豪火球の炎が消えた時、そこにあるはずのカカシの姿はなかった。
「どこだ?!」と、辺りを見渡すサスケの足元から突然、土がボコッと盛り上がる。
そこから出てきた大きな手が、サスケの足を掴んだ。
「土遁 心中斬首の術…」
カカシは豪火球を避けるため、土遁を使って地面に潜り込んでいたのだ。
そのままサスケはカカシによって地面に引きずり込まれ、首だけが地上に……必死に藻掻くもビクとも動けなくなってしまった。
「…忍戦術の心得その3!忍術だ。 よくやったが、まだまだだな。“サスケくん”」
「くっ...!」
一対一の勝負では、サスケも全くカカシに歯が立たなかった。
惜しい場面もあったが、カカシは決して本気などではない。
(さ...みんなここからどうするかな? ひとりじゃダメなんやって、一人くらい考えた子はいるかな…)
と、そこでさきは手元の時計を確認した。
『えっ!もうこんな時間? 急がなきゃ制限時間に間に合わんよ…』
「ホントにねぇ」