第27章 鈴取り演習 -2-
突然隣から聞こえた声。
いつの間にか、さきが潜む木の枝の上には、彼女と並んでカカシが立っていた。
さきはまた忍び足で近寄られた事に心臓が飛び出るのではないかというほど驚いたが、何分隠れている身のため叫ぶ訳にもいかず、必死に堪えて肩をビクッと大きく揺らした。
カカシはそんなさきをよそに、試験の感想を彼女に求める。
「お前から見てどう思う?アイツら」
『ん…悪くないとは思う。 ナルトくんとサスケくんは下忍に絶対なりたくてって必死やね。 サクラちゃんはその点そうでもないかな…サスケくんと一緒にいたいって方が上みたい。 …あ、ほらなんか倒れてる』
ちょうどサクラは土に埋まったままのサスケを発見し、二度目の気絶を決め込んだところだ。
『サスケくんの才能は本当に凄いと思うよ。 私も負けないように必死やもん。 …ただあの子は…チームワークとか、協力とか、そういうの多分言わんと分からへんし…言ってどうなるかもわからんけどね。
残りの二人もきっとそう。 ナルトくんなんて見てよ。 あの子抜け駆けしてお弁当食べようとしてるよ?』
「はぁ。ホントだ。止めないとね……今回もこのまま終わりになるかもしれないな…」
カカシは少し残念そうに肩を落とした。
『まだ大丈夫。 カカシ先生にかかってるよ。 ここからはカカシの見せ所やでっ!
ヒント1つあげるだけでもいいから…そしてあの子達を信じてみよう?』
さきは笑顔でカカシを送り出した。
(きっと大丈夫。 私はそんな気がする。 この子達がカカシと一緒にいるところ、なんか想像出来るもん。 カカシのことを…少しでもいい、君たち三人がが光の方へ救ってあげて欲しい。)
そう思いながら、さきは四人の近くへまた移動した。