第27章 鈴取り演習 -2-
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「オレはあいつらとは違うぜ…」
「そういうのは鈴を取ってからにしろ“サスケくん…”」
「やめろ! その呼び方。」
「さきならいいのにか? ま、オレが仕込んだアイツに教わってんだ…お前はそこそこやるだろう。 いつでもかかってこい。」
こっそり様子を窺っていたさきの耳に、何やら自分の名前が聞こえてきたような気もしたが…早速サスケの鈴取りが開始した。
先に手裏剣で攻撃を仕掛けたのはサスケだ。
手裏剣術はさきと共に飽きるほど練習をしている。
カカシはそんなサスケに「バカ正直に攻撃してもダメだ」と言ったが、サスケが投げた手裏剣が予め樹木の陰に仕込んでいたトラップにあたり、何本もの短剣がカカシを襲った。
サスケの他の人との実戦を見るのはさきも初めてのことで、彼女も少し興奮を覚えた。
カカシがそれを避けているいる隙に、サスケがその背後に回り込み、すかさず体術を繰り出してゆく。
(やるやんサスケくん!)
俊敏に動くサスケの指先が、カカシの腰で揺れる鈴に触れた……が、惜しくももう少しのところでカカシに阻まれてしまった。
『サスケくんイイよ! 流石私の弟分!』
さきは小声で二人に聞こえないように声援を送り小さく拍手をする。
「はぁ…なーんかどっかでみたことある動きが多いね……ま、そりゃそうか」
『ふふ 流石のカカシも、本を読みながら相手をする余裕はないよね』