第26章 鈴取り演習 -1-
千年殺しをまともに食らったナルトは、川の中で悔しがっていた。
“カカシ先生”の指示通りちゃんと朝ご飯を食べなかったナルトは…可哀想に、お腹の虫がグーグーと鳴いていた。
勿論そのせいでカカシに敵わないというわけではない。
それでもお腹がひとつ鳴るだけで腹が立つ。
せっかくイルカ先生に認められて額当てをもらったというのに、このまま忍者になれないかもしれないだなんて…
しかもあんなよく分からない、やる気のないだらしない先生の課すこの演習が理由だなんて耐えられるはずがない、とナルトは思う。
「なにがなんでも 忍者にならなきゃ」
ナルトを観察していたさきの目に、ナルトの闘志に火が灯るのが見えた。
次の瞬間、川の中からナルトの影分身達が一斉に川から飛び出してきた。
『えっ嘘! あんなに影分身が… 凄い……』
見た所持続時間は短そうだが、あんな多重影分身をどうやって覚えたのか。
チャクラ量は、チャクラの練り方と使い方、日々の鍛錬によって精神エネルギーと身体エネルギーが鍛えられて増えるものである。
それにしてはあの影分身の量…ナルトのチャクラ量は異常な程多い気がした。