第26章 鈴取り演習 -1-
「まだその術じゃオレはやれないね」
(…いや、ナルトくんも頑張ってる)
カカシの背後から飛び掛かった影分身の一人が、カカシの体を押さえ込んだ。
影分身の一人を川下から裏手に回り込ませていたようだ。
その様子を見ていたサスケとサクラも感心する。
「殴らせてもらうってばよ!!」
ナルトは抱え込んだカカシを殴りにかかる……が、実際に殴られたのはナルトの方だ。
『残念。 甘い、ナルトくん』
カカシはナルトに変化し、素早く自分と影分身の一人を入れ替えていた…変化と影分身の術を応用した、変わり身の術だ。
その後も、ナルトは地面に鈴が一つ落ちているのを見つけて拾おうとしたところ、カカシがあらかじめ仕掛けておいたブービートラップの縄が足首に掛かって宙吊りにされてしまった。
何も考えず、行動に移してしまった報いだ。
「忍者は裏の裏を読め!」
「ここだ!」
カカシの意識が、ナルトにだけ向いていると思っていたサスケが隙を突き手裏剣を投げて攻撃する。
(ようやくサスケくんも動き出したね…)
しかし、手裏剣を投げた相手はまたしてもカカシの変わり身だった。
彼はスグにそれが罠だったと気づいた様子。
体制を立て直すために一度身を引いた。
(次にカカシが相手するのは…サスケくんかな?サクラちゃんかな?)
さきは皆に見つからないように少し場所を移した。