第1章 真夏の旅人
『ため息ばっかついてると、幸せ逃げるよカカシ。 それと、私はキミとかさきさんより、さきとかさきちゃんって呼ばれたいんやけど』
「はいはい 注文が多いのね~さきちゃん」
『…なんか、そのちゃんわざとらしい。やっぱさきでいい』
「はいはい、さきね。写輪眼好きのさきね。」
『しゃりんがん…って言うの?この目?』
カカシはしまった、また面倒なことになったと項垂れる。
対してさきは、聞きなれない写輪眼という言葉に興味津々で、今度は顔に、なにそれ聞きたい!と大きく書かれているようだった。
「写輪眼については、色々と秘密が多いから、自分で本見つけて調べなさいよ。 幸い、明日からオレは図書館(書物庫)へ行って、さきがここへ来た原因なんかを調べるつもりだからね。」
『そうなんや。 …あの、カカシありがとう。 何から何までほんまに。 ごめんね急に上がり込んだりして、迷惑かけて…』
ふと自分が余所者だったことを思い出し、カカシと距離をとる。
そして頭を下げてお礼と謝罪を口にした。