第25章 自己紹介は「愛してる」
さきは『ブッ!』と盛大に吹き出しそうになるのを必死に堪えながら、馬鹿何言ってんのカカシ?!と、カカシに念力を送る。
「……まぁそんなことはいい。お前がさきの師匠ということか……面白い」
「ねぇ、そのさきって人は何者なの? サスケくんにお姉さんがいるの? 一体どんな関係?」
「いや、さきとサスケは姉弟じゃない。 ま、かなり大雑把に言えば師弟関係みたいなもんだろう。」
「その姉ちゃんも下忍なのに師弟? それってばおかしくねー? もっと強いヤツに教わればいいのに何で下忍の姉ちゃんなんだってばよ?」
「ナルト、お前はさきを甘く見ない方がいいぞ。 アイツはくノ一の中じゃトップレベルで強い……
サスケ、さきがお前のことを酷く可愛がっていることは知ってる。 だが、オレはさきの知り合いだからと言って手を抜く程甘くないから気をつけろよ。
そしてサクラ、そういうことに力を入れるのも悪くないが、忍術の方にも力を入れろよ? さきのようにな。
…ま、お前らにはまた会わせてやるから安心しろ。 その機会があればだがな…お前らは明日から任務をやる。」
「はっ! どんな任務でありますか?!」
「サバイバル演習だ」
サバイバル演習とは、最初に担当上忍から課せられる重要な試験のようなもの。
卒業生27名中、下忍として認められるのはわずか9名。残り18名はアカデミーへ戻される超難関試験だ。
それを聞いた三人はカカシの宣言した通りドン引きしていた。
カカシはその反応に対し、満足げにククと喉を鳴らして楽し気に笑う。
「朝食は抜いて来るように…吐くぞ!」とまで脅して。
(朝ご飯はちゃんと食べた方がいいと思うけどな…ってかそもそも何時からやるつもり??)
さきの言い分は届かぬまま、カカシが三人に詳細を書いてあるというプリントを渡したところで、今日は解散となった。
みんな居なくなり、カカシだけがその場に残る。
「ふ もう出ておいでよさき」