第23章 She turns him on...
カカシは少しずつさきとの距離を詰めていく。
体内の底の方から激しい淫欲が迫ってくる。
さきはそんなカカシに圧倒され、気付けば体がソファーに沈み込んでいた。
どこか嬉しそうに唇の両端を上げたカカシが、彼女の両脇に手をつく。
「考えてたってどんなこと? お前ホントに悪いよ」
“カカシのことを考えてた”…それには深い意味は全くなくて、恐らく明日からの担当上忍の事を考えていた…ということは、カカシも頭では分かってはいた。
しかし、欲を搔き立てられていたカカシの制限を解除するには、それは充分な言葉だった。
徐々にその距離を詰めると彼女はその空気を読む。
カカシは理性と感情の葛藤の中、いまだに高い熱を全身に帯び、蕩けた瞳のさきを数センチの距離から見つめる。
そして『こら』と短く制止した彼女の血色の良い唇を、自分の唇で塞いでキスをした。
柔らかく暖かいその感触を、角度を変えて何度も味わい唇を離す。
ちゅっと小さな音を立てて触れては離れ、触れては離れを繰り返すうちに、次第に啄むようなキスへと変化した。
のぼせて心拍数があがり、軽く汗ばんだままのさきは、彼の唇が触れる度に力がほどけていくような心地よさを感じていく。
瞼を閉じ、そのキスの甘さに満たされ始めたさきは、そっとカカシの頬に手を添える。
カカシの唇が彼女の下唇を軽く吸って離れた時……艶やかな声混じりな甘い息をひとつだけ吐きながら薄く目を開いたさきの表情が、カカシの熱を帯びた瞳に映り込んだ。
いっそのこと、抱いてしまいたい……カカシは、溢れだす切なさにも似た止まらない愛おしさを、彼女ごとゆっくり食むように再び口付けを繰り返した。
さきの力が抜けたところで、その中まで入りこんで絡み合うと脳に響く甘い音。
カカシの舌は上顎を擦り頬の内側を舐め、さきの舌に絡みつく。
『んぅ……』
軽く顎を引いて遠慮がちにも受け止めてくれる彼女の高い熱を、甘い味を、触れ合う感覚をカカシが求める度に、またキスが深まっていく。
さきはのぼせているからかいつもより抵抗が少なくて……
_________ ドンドンドンッッ
…突然玄関のドアを強くノックする音が響いた。