第20章 輪廻祭とクリスマス
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とは言ったものの、クリスマスイヴ...もとい輪廻祭前日。
さきとカカシは二人揃って里外への任務が命じられた。
『ゆっくり過ごせると思ってた私が間違ってた...』
「ハハ...いやーとんだクスマリス...だっけ?だねー」
『んもう。クーリースーマースー』
「ああ、そうそうクリスマス」
美味しいフライドチキンも、可愛いイチゴのショートケーキもなし。
勿論今は里外なのだから、嘸かし賑やかであろう輪廻祭の雰囲気を楽しむなんて以ての外。
さきは「はあ」と大きな溜息をつきながら、大きな木から木へと飛び移る。
任務の内容は大したことは無く、カカシはさきのお守りみたいなものなのだが、さきの足取りは何だか凄く重かった。
カカシに用意していたクリスマスプレゼントも、わざわざ任務に持ってくる様な物ではないから、二人の家に置いてきた。
クリスマスという単語も曖昧な記憶と化していたカカシにしてみれば、今日だって明日だって、只の日常と変わらないんだろうな......そう思うと、今日何度目か分からない溜め息がもれなくさきの口から溢れ出た。