第19章 誓いのキス
『...重たいよね、死って...。 しんどいよね、正直。
...けど一番しんどかったのは、死んでいった彼らよね... 私はそう思う...』
「あぁ... そしてオレたちに教えてくれる。
その人たちがいない世界で生きるという苦しみや、その重みをな。」
『うん...ほんまにその通りやね。
カカシ......“私も好き”って...ちゃんと言えなくてごめんね。 でも、これは私のカカシへの気持ち...
その苦しくて重たい、カカシの背負ってるもの...私も一緒に背負わせて欲しい』
迷いのない声。
カカシには問わなかった。
それは彼女の決意だった。
「...オレは...お前が本当に好きだよ。
...だから怖い。 オレの大切だった人はもう居ない。 みんな死んだ。
...だから、さきを大切に思う気持ちを自覚する度に、失うかもしれない恐怖心も抱いていた。
でも...お前がオレの背負っているものを、一緒に背負うと言ってくれるのなら、少し格好つけたことを言っても許されるかな。」
『...なに?』
「オレは...さきを死なせない。
オレの大切な人は、絶対に死なせやしない。
オレも、お前の背負っているもの一緒に背負わせて。」
さきは静かに振り向いた。
辺りはもう既に暗い。
雲間から覗く月明かりに照らされたカカシの白銀の髪はキラキラと美しく輝いていた。
さきはゆっくりとカカシに近付いて、優しくニコリと微笑んだ。
『私は死なない。 死ねないもん。
私もカカシを死なさない。...絶対。』
「オレも死なないよ。」