• テキストサイズ

【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第19章 誓いのキス


(あぁ本当によく似ているな、私とカカシ。)
 なんでこんなに似ているのか......
 ぽつりぽつりと呟くように話すカカシの顔を、さきは下からそっと見上げた。



(......こんな顔を、私もしてるのかな。)



 カカシの表情はまるで寒い冬の、低い灰色の曇天のようだった。
 微かに俯いた顔は暗く、どんどんその影が色黒くなってゆく。
 ゆっくりと瞼を閉じていくカカシの顔を、さきは鏡に映し出された自分を見るかのように見た。
 そして、そんなカカシをできるだけ見たくないとも思った。



 今日、聞いたカカシの昔の話。
 それは自分の身に起きたこととは全く別なことなのに、その話すらすんなりと自分の中に落ち着いた。



 冷たい風が二人の後ろから吹き抜け、乾いた森の音が鳴る。
(カカシ.......私は..........)
 さきは、ある答えに辿り着いた。



 さきはその場で立ち上がり、慰霊碑に向き直って、カカシを見ずに話し始めた。

/ 641ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp