第19章 誓いのキス
...今日は、沢山カカシのことを知れたな...と、長い一日をさきは振り返っていた。
カカシは美味しい食事処にも彼女を連れて行き、またさきの知らなかった美しい木の葉の里の景色なんかも見せてくれた。
カカシはああ見えて、意外とロマンチストなところがある。
さきは昼間のことを思い出し、クスリと小さく笑った。
雲を見て「あの形はさきみたいだ」なんて言っていた時は、そんな可愛いことも考える人なんだ...と、微笑ましく思ったものだ。
_____日が沈み、暗い夜が近づいてきた。
カカシに手を引かれて辿り着いたのは、第三演習場にある、例の慰霊碑だった。
『........ホンマや。 オビトさんの名前...』
さきは慰霊碑に刻まれた数多くの名前を屈んで見つめていた。
その中に、“うちはオビト”の名を見つけ、カカシの心の中の深くて暗い奥底に触れるように、そっと優しくその名を指でなぞった。
「そう.........ここにはどうしても..... 毎日来てしまうんだ...」
『.....戒めたくなる? 自分のこと』
「..........そうだな...」
『......わかるよ、その気持ち。 ......カカシは赦せないんやね 自分の事』
「あぁ......いつまでも、“そこ”から動けない.........」